棗くんからは逃げられない

「えっと?」

「あー、もしかして、イオの彼女?」

「あ、えっと…」


“彼女”という聞き慣れないワードに顔が熱くなる


「赤くなった可愛い、」

遠慮無しに扉を閉め、近づいてくるその人


「ねぇ、名前は?」

「ぁぅ……」

反射的に後ろに下がろうとするけど背後はベッド


「うわぁ、マジで可愛いんだけど、イオやめて俺にしない?」

知らない男の人は私の後ろのベッドの縁に手をつくと、ずいと顔を寄せてきた


「っ………」

「ねぇ、どう?」

「ぁぅ……っ…」

「もう、………ってぅわっ…」

その慣れない距離に耐えられなくて目を瞑ると声が遠ざかった
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