偽装結婚の行く末
それから気絶するように寝て、次に起きたらもう昼。
……最近このパターン多くない?
休日潰れた気がしてちょっと嫌。

隣に寝てたはずの昴はいないし。
あいつあたしに婚約指輪付けたままどこ行ったのよ。

太陽光に反射してキラキラ光るダイヤの指輪を眺めながらリビングに移動する。
昴はなぜかスーツを着てコーヒーを飲んでいた。


「よお美優、おそよう」

「……指輪、ありがとう。あと嬉しくって叩き起してごめん」

「そんなに嬉しかった?かわいいな」


散々いじめられてあたしはへとへとなのに、昴は疲労感ひとつ見せない。
アラサーのくせに、と心の中で照れ隠しのための毒を吐いた。


「てかスーツ着てどうしたの?」

「呼ばれたから行ってくる。トラブル発生したっぽい」


Webエンジニアという仕事がら、こういうことはしょっちゅうある。
だけど昴は嫌な顔ひとつせずに休日出勤するから偉いなと思う。
まあ、そんなこと嫌がってたら社長なんて務まらないけど。
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