偽装結婚の行く末
「てか、同棲までする必要あるの?」


ほら、顔がいいからただ首を傾げる仕草でも目を引く。
俺は慣れてるからなんとも思わねえけど。

で、なんだって?同棲する必要?
あるから言ってんじゃねえか。


「その女に婚約者がいるって言ったらどうせ嘘ですよねって見抜かれて。
しかもどういうルートで仕入れたか分かんねえけど、俺の家知ってるらしいんだよな。
だから同棲してる婚約者がいるって証明しないと困る」

「うわ、怖っ……もはやストーカーじゃん」

「だからやばい女に目つけられたって言ったろ」

「あたし、刺されない?」

「それはたぶん大丈夫」

「ええ、たぶんなの?心もとないんだけど」


不安がる美優を見ると、からかいたくなる。
これは俺の昔からの性分。


「俺が守るよ、なんてクサイ台詞が欲しかった?」

「ウザイ、1年ぶりでもやっぱりウザイ」


からかったら心底嫌そうな顔をされた。
そんな顔を俺に向ける女、お前だけだぞ。
相変わらず変わってなくて笑えた。
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