偽装結婚の行く末
「いや、ちょっと……マジでショックで。昴さんなら話聞いてくれるかなって」

「まあ、最近仕事忙しかったもんな」

「そうなんですよ、いやそうだとしても浮気は人としてダメだろ……」


ビールジョッキを片手に盛大なため息をつく伊里。
その顔を見ながら、ふと疑問を口にした。


「伊里、お前将来結婚したいと思うか?」


単純な疑問。そのはずが思い浮かんだのは美優の顔だった。

俺の中の美優はいつもふてくされた顔で俺を睨んでいる。
せめてイメージの中では笑ってくれねえかなと思って苦笑いを浮かべた。


「思いますよ、俺子ども欲しいんで」

「へえ、結構願望あるのか。
珍しいな今時の若いヤツで」

「何言ってんすか昴さんもまだ若いですよ」

「“まだ”を強調すんな」


アラサーいじりをしてきた伊里。
半笑いで睨んだら、どこ吹く風でまたため息をついた。
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