偽装結婚の行く末
「渡したいもの渡したし、もう帰る」
「帰るの?今来たばっかなのに」
下手くそな愛想笑いを浮かべて背を向ける。
だけど律の心配そうな声がして立ち止まった。
「地元に帰ってきたから、この後友達と遊ぶ約束してるんだ。じゃあね」
笑顔で嘘をついて玄関に向かう。
靴を履いて玄関のドアを開こうとした瞬間、その手を押さえつけられた。
「美優」
なんでこういう時に限って後を追ってくるかな。
見上げると昴が真剣な顔で覗き込んできた。
ただ、その表情の奥の心境は分からなかった。
「一緒に帰ろう」
「なんで来たの?結局あんたが褒められたじゃん」
「美優は説明下手くそだから勘違いされてただろ」
「あんたはいいよね、世渡り上手でチヤホヤされて」
ため息とともに愚痴を吐き出す。
昴は少し手の力を抜いたけど、その手を離してはくれない。
「あんたじゃない。俺は昴」
「……だから何?」
「なんで怒ってんだよ」
分かってる、こんなのただの八つ当たり。
これ以上は本当に口論になると思って視線を外した。
まだ家の中だから律に聞かれたくないし。
「頭冷やしたいから電車で帰る」
「分かった」
珍しく物分りのいい昴は手を離してあたしを見送る。
ちょっとさみしそうな顔してなんなの?
たかが偽物の婚約者相手に変なやつ。
「帰るの?今来たばっかなのに」
下手くそな愛想笑いを浮かべて背を向ける。
だけど律の心配そうな声がして立ち止まった。
「地元に帰ってきたから、この後友達と遊ぶ約束してるんだ。じゃあね」
笑顔で嘘をついて玄関に向かう。
靴を履いて玄関のドアを開こうとした瞬間、その手を押さえつけられた。
「美優」
なんでこういう時に限って後を追ってくるかな。
見上げると昴が真剣な顔で覗き込んできた。
ただ、その表情の奥の心境は分からなかった。
「一緒に帰ろう」
「なんで来たの?結局あんたが褒められたじゃん」
「美優は説明下手くそだから勘違いされてただろ」
「あんたはいいよね、世渡り上手でチヤホヤされて」
ため息とともに愚痴を吐き出す。
昴は少し手の力を抜いたけど、その手を離してはくれない。
「あんたじゃない。俺は昴」
「……だから何?」
「なんで怒ってんだよ」
分かってる、こんなのただの八つ当たり。
これ以上は本当に口論になると思って視線を外した。
まだ家の中だから律に聞かれたくないし。
「頭冷やしたいから電車で帰る」
「分かった」
珍しく物分りのいい昴は手を離してあたしを見送る。
ちょっとさみしそうな顔してなんなの?
たかが偽物の婚約者相手に変なやつ。