偽装結婚の行く末
とりあえず任せてお風呂に入る。
生理だからさっとシャワーだけ浴びて上がったら、テーブルの上にあたしのスマホが置かれていた。


「料金見ずに選んで。美優のスマホにURL送ったから」


スマホのロックを解除すると5件くらいホテルと旅館のURLが送られていた。

メインは観光だし、ホテルでいいかと思ってその内のひとつを昴に見せる。


「ここがいいかな、京都駅近いし」

「俺が選んでおいて何だけど……なんかラブホみたいだな」

「全然違うし!幻想的じゃん!」

「いや、この間接照明の使い方は誰だってそう思うって」


いいなと思ったのにラブホとか言い出した。
なんなの、溜まってんの?


「昴ってさ」

「あん?」

「家にあたしいるのに溜まらないの?」


ふと疑問に思って口に出した。
昴は眉毛を上げて表情を固めたまま口を開く。


「……ヤリてえの?」
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