偽装結婚の行く末
「美優、起きろ」

「……え?」


気がつけば暗がりの中、昴に顔を覗き込まれていた。
ほら、やっぱり夢だった。
それにしても最悪な夢……。


「ギャーッ!」


と思ったら昴が急に顔を近づけてきた。
慌てて手が出て昴の頬をぺちんと叩いてしまった。
は?何……キスしようとした?


「まだ酔ってんの!?馬鹿なの?」

「はいはい、馬鹿でいいよ」


笑う昴の頬が、間接照明に照らされて赤くなっている。
あ、爪が引っかかって痛かったかも。


「え、ウソ……ほっぺた赤くなってない?跡残るかも」

「残ったらでっかい猫にでも引っかかれたって言っとくかな」

「……ごめん」


昴の頬に手を伸ばして赤くなったところに触れる。
すると昴はニヤッと笑った。


「美優、そういう素直なところかわいいよな」

「……いいからどいて、歯磨いてくる」

「はいはい」


からかってきたから気にしてないっぽい。
それにしてもなんで同じベットに寝てるんだろ、まったく身に覚えがない。

けど、身体にどこも異常がないから致してはないっぽい。
幼なじみとそういう関係にはなってないみたいで少しほっとした。
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