偽装結婚の行く末
「……マジで寝んの?あえて起こしたのに」

「だから、なんで起こしたの?」

「決まってんだろ」


昴は距離を詰めて後ろから抱きしめてくる。
布の擦れる音がして、その後背中に硬いものが当たった。


「はぁ!?」


それがなんなのか把握して本能的に逃げ出した。
昴の腕から抜け出し、ベットから逃走してリビングルームのソファに移動する。

何考えてんのこいつ。あたし泣いて嫌がったじゃん!
……でも、あれは夢だったんだっけ。


「え、婚前交渉はダメ?」

「……は?」


あたしの後を追ってきた昴は狐につままれたような顔をしている。
なんで当然のように襲ってきたの?
え、あたしがおかしい?


「……おいちょっと待て。俺が昨日なんて言ったか覚えてるか?」


すれ違いに気がついた昴が距離を縮めてくる。
昨日のこと……とは?
待って、昨夜の出来事は夢じゃなかったの?
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