偽装結婚の行く末
疑問符だらけの頭の中。
気がつくと、昴は目を細めてあたしを睨んでいた。
やば、怒ってるじゃん。


「ほーん、覚えてねえわけか。そうか」

「覚えてないっていうか……夢かと思って」

「俺の本気の告白を酔っ払ってうろ覚え?さすがだな美優」


やばいやばい、ガチギレじゃん。
だってどこからが夢だったのか分からない!
まずい、とにかく何か言い訳を……。


「美優〜、覚えてねえって何事だぁ?んん?」

「痛い!痛いってば!」


言葉にしようと思ったけど遅かった。
拳で頭をグリグリされてあたしは叫んだ。
身をよじってなんとか逃げ出そうとする。

するとパッと手を離され、深くため息をつきながらあたしの手を握った。


「道理で話が噛み合わねえと思った」

「え、あたし……うんって言ったの?」

「そこも覚えてねえのかよ」

「……申し訳ありません」


指を絡めながら顔を覗き込んできた昴の顔が怖い。
ギロっと睨まれて萎縮する。
だって、昴があたしのこと好きになるはずないって思ってたし。


「俺のこと初恋だったって言ってた」

「それ、本当にあたしが言ったの?」

「ああ言ったよ。けど住む世界が違うから諦めたって」

「……」

「勝手に諦めんなよ」
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