僕らは運命の意味を探していた。
 夏休みも中盤から終盤へと移行するこの時期。

 様々な感情が入り乱れる中で、俺たちは余計な重荷を背負って生活していた。

 俺は病院を後にして、帰路を歩いていた。
過ごしやすい気温の中を、マイペースで歩くのも悪くないと感じた。

「あっ、目つきの悪い男だ。」

「誰が目つきの悪い男だよ‼︎ そんな奴いたか?」

「ああ。目の前にいる。」

「悪かったな、目つき悪くて。眼圧で殺したろか‼」

 一好の自虐は今日も冴えていた。

「それはまた今度な。で、今から病院?」

「勿論。どうだった? 四人の様子は。」

「それは自分の目で、見て確かめろよ。」

「ああ。そうするわ。んじゃ、またな。」

「おう。」

 俺らは、いつものノリを挟みつつ、それぞれ目的地に向かって歩いて行った。

 俺らは、四人の早期回復を心から祈っている。

 それだけは、誰にも負けない自信があった。
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