内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました
「いやいや、ヒサ君の勘違いじゃない? 副社長にしちゃ若すぎでしょ」

「えー? 本当に副社長ですよ、だって副社長って呼ばれてるの聞きましたもん」

「じゃあほら、あだ名とか?」

「そんなわけないですよ。あそこの社長の名前、神林(かんばやし)でしょ。あの人も、神林副社長って呼ばれてたし」

「まじで?」
「はい。まじっす」

 そういえば悠の新しい名字は聞いていない。

 となると、まさかシルKUの社長が、悠を迎えに来たというお父さん?

 ヒサ君の勘違いじゃなかったら、悠は副社長で、御曹司――。
 そうなの?

 喉の奥が苦しくなり、ドキドキと心臓が高鳴ってくる。

「背も高いしなあー、一八〇はあるんじゃないか?」

「あ、うん。そうだね」

 一六〇センチの私がヒールが高い靴を履いても肩くらいなんだから。

 信号が青になり軽トラックは走り出し、悠を乗せた車は反対方向に消えていく。

「いいなー、金持ちでイケメンなんて、無敵じゃないっすか」

 ん? それはちょっとヒサ君、失礼じゃない?
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