地味子、学校のイケメン二人と秘密の同居始めます！

　こうやって見てると、ユウキくんと魁吏くんが年の離れた兄弟みたいだ。
　数分もたたないうちに、テントに到着。
　水色のTシャツを来た人が、ユウキくんに色々質問したあとにすぐにアナウンスで放送してくれた。
　ユウキくんのお父さんとお母さんが来るまで、ユウキくんとおしゃべり。
　ユウキくんが私たちになついているみたいだからと係の人に頼まれたのもあるけど、何より私がユウキくんともっとお話したかったら。
　魁吏くんも残ってくれている。
　「ユウキくんのお父さんとお母さんってどんな人なの？」
　「パパは、すっごく優しいんだよ！ママは、怒ったら怖いけど、でも優しいから大好き！」
　「そっか」
　嬉しそうな顔をしながら、ユウキくんは教えてくれる。
　よかった、もうすっかり元気になったみたい。
　こんな知らない人がいっぱいいるところで迷子になっちゃったら、怖いよね。
　元気になってくれてよかった。
　それからも、ほのぼのと会話して癒やされていると、不意にユウキくんが爆弾発言をした。
　「あやかちゃんとかいりくんも、“ふうふ”なの？」
　「えっ！？」
　ふうふ、ってあの夫婦のことで合ってるよね！？
　さっきもこんな風に間違えられたような気がするぞ。
　・・・そんなに、仲良く見えるのかな？
　・・・じゃなくて！
　否定してユウキくんの誤解を解かないと！
　ついついいい方向に考えて緩みそうになる口角をなんとかおさえる。
　「違うよ」
　「そうなの？仲良しだったから、そう思っちゃった！」
　無邪気に、ユウキくんは笑う。
　ああ、その笑顔で心が全部綺麗に浄化されているような気がするよ・・・。
　写真を撮って、スマホにおさめたい。
　・・・って、流石に気持ち悪いし犯罪か。
　「ユウキ！」
　「あっ、パパ、ママー！」
　欲求に正直になりそうになっているところに、ユウキくんのご両親らしき男女がやってくる。
　名前を呼ばれると同時に、ユウキくんはその二人に駆け寄って勢いよく抱きついた。
　「一人にしちゃってごめんね、ユウキ」
　「大丈夫だったか？」
　「うん！あのね、あやかちゃんとかいりくんが一緒にいてくれたの！だから、僕平気だったよ！」
　ユウキくんが私たちのことを指さすと、お母さんが頭を下げてくる。
　「本当にありがとうございます！なんとお礼を言ったら良いか・・・」
　「大丈夫ですよ。それに、私たちもユウキくんとお話できて楽しかったので」