地味子、学校のイケメン二人と秘密の同居始めます!
 「じゃあ、私たちは行ってきますね」
 「うん、いってらっしゃい。また後でね」
 晶くんと椿ちゃんが、私たちが来た方へ消えていく。
 さっき椿ちゃんが立ち上がるときも晶くん手をスムーズに貸していたし、本当に王子様みたい。
 二人と入れ替わって、私と魁吏くんは横に並んで座る。
 今から二十分間、私と魁吏くんの二人きり。
 ・・・・・・どのタイミングで言おう。
 告白のことを意識しすぎちゃって、魁吏くんとの間にしばらく無言の微妙な空気が流れる。
 「ユッ、ユウキくん無事にお父さんとお母さんと会えて良かったね!」
 「そうだな」
 「それにしても、ユウキくん可愛かったなー!」
 「・・・・・・そうだな」
 あれ、私いつもどんなことをどんなテンションで魁吏くんに話してたっけ。
 いや、そもそもいつも私から話しかけてたっけ?
 考えれば考えるほどにわからなくなっていく。
 それでも、沈黙だけは作りたくなくて、一秒でも長く魁吏くんとお喋りしていたくて、私はまた口を開く。
 「そ、そういえばさ・・・・・・」
 ―――コツッ。
 「え?」
 私が次の話題をふろうとしていたとき、魁吏くんが少し丸めた手の甲で私の頭を優しく小突いた。
 「・・・無理しすぎ。もっと落ち着いて話せ。聞いててやるから」
 そう言ってくれた魁吏くんの声は、とっても優しくて穏やかで。
 私の頭から、焦りを全部取り除いて私を落ち着かせてくれて。
 だから、自分でも驚くくらいにスルッとその言葉が出てきたんだ。
 「・・・・・・魁吏くんが、好きです」
 涼しげで穏やかなその横顔に向かって、私はその想いを伝える。
 数拍おいて、魁吏くんは今まで見たこともないくらいに目を真ん丸にして私の顔を見た。
 その魁吏くんの表情で、私もやっと自分が今何を言ったのか理解した。
 今までの中で一番心臓がドキドキしてるし、顔も熱いし、なんだか返事を聞くのが怖いしで私はうつむいてしまう。
 「・・・おい、今のって・・・」
 「・・・・・・」
 「・・・・・・本当、かよ?」
 下を向いたまま、小さく頷く。
 魁吏くん、今どんな顔してるんだろう。
 まだあの驚いた顔をしてるのかな?
 ・・・それとも、迷惑そうな顔、かな・・・?
 魁吏くんの顔を見るのが怖くて、顔をあげられない。
 そんな私を、何かあたたかいものが包んだ。
 「・・・・・・え、魁吏、くん?」
 名前を呼ぶと、私を抱きしめる腕の力がギュッと強くなる。
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