.゚・*.ツインレイ.゚・*.♪。*.唯一無二の魂の片割れ .*.゚・*.~再会~
最高に甘い一口
プロポーズから三週間後の金曜日。

いい加減痺れを切らした私は、はっきり断る為気合いを入れスタジアムに出向いた。

もしかしたら今日で最後かも……そう覚悟を決め試合中のあなたを切ない想いで見つめていると、ゴールを決めて満面の笑みのあなたとふいに目が合い焦ってそらした。

……別にゴール決めた人を見ててもそんな不自然じゃないか。

そう思いさり気なくあなたを捜す……までもなく、なぜか私を見ながらベンチに戻ってきた。


「悪い、ちょい足が……。代わって」


あなたは、一人だけ待ちのメンバーと交代して私の左側に座り、右足のシューズを脱いだ。

久しぶりのプチふたりきりに緊張……。


「大丈夫? 冷やす?」


「いや……痒いだけ」


あなたは、ベンチ下の救急箱を取り出す私に真顔で足の裏を掻きながら答え思わず吹き出してしまった。


「かおりちゃんこそ何か言われた? ……泣きそうに見えたけど大丈夫? 純も玲ちゃんもまだだし」


「……何も。ありがとう」


珍しく声を掛けられた上に心配されたのが嬉しくて本当に泣きそうになるけれど、グッと堪えて精一杯微笑んでみせた。


「純の愚痴いつでも聞くよ」


「……ありがとう」


驚きの優しい言葉と口調に本気で泣きたくなり、慌てて立ち上がり必死に瞬きして早足でこの場を去った。

……今日に限って優しくしないで。

ずっと挨拶のみだったのに決心揺らぎそう……。

もっとあなたのプレイが観たい、あなたを見つめていたい、傍にいたい……そう望んでしまう。

玄関前の円形ソファーに座りひとり溜息を付いていると、二階から純さんファンの一番苦手な女子二人が降りながら私に気付き、目を合わせ獲物を見付けたような顔で近付いて来た。

すぐ様立ち去ろうと立ち上がるが、二人に遮られ舌打ちしたい思いでポケットからスマホを取り出し戦闘体制万全で臨む。

今まで三回全く事実無根の嘘を流されいい加減はらわた煮えくり返っていた。


「これ葉月さんよね」


そしてレジャーホテルから男性と出て来る画像を見せられた。


「いいえ」


「誰が見ても葉月さんじゃん」


ついに四回目……いつまでも黙ってませんよ。

最悪の気分で特大溜息を吐き二人を強く見据え返した。
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