クールなご主人様は溺愛中
「里奈?」


突然表情が曇るから、冬夜くんも心配そう。


「冬夜くんって、人気なんだね」


「何言ってんの?」


「いいの?私なんかといて」


突然湧いてきたネガティブな感情に自分でも戸惑う。


「ごめん、忘れて......」


そう言っても、冬夜くんは何も言ってくれない。


「......行こっ」


いたたまれなくなって、そう言うけど冬夜くんは動こうとしない。


「里奈」


代わりに低い声で私の名前を呼んだ。


「俺は、里奈といたいから一緒にいるんだ。私なんかとか二度と言うな」


ズバッと言われた言葉に黙る。


「里奈はもっと自信もっていいんだよ。周りの目なんて気にすんな」


頭を撫でられて、安心を感じる。


「うん。ありがとう、ごめんね」


「気にすんな」
< 152 / 268 >

この作品をシェア

pagetop