クールなご主人様は溺愛中
やっぱり自分たちが作ってるからか、冬夜くんは平然と歩いてる。


時折、私の頭を撫でたり、大丈夫って声をかけてくれたりした。


それからも驚かされ続け、泣きたくなりながらお化け屋敷を抜けた。


「うう、疲れた」


「ははっ」


どこか楽しそうな冬夜くんをむっとしながら見る。


「実はわかってたでしょ。苦手なの」


「あー、バレた?」


私が初めに悲鳴をあげた時、冬夜くんは驚きもせずになんなら少し笑ってた。


「......酷い」


「見て欲しかったんだよ。俺たちが作ったのを」


「今回は、許さないもん」


そう言うと、冬夜くんは笑いをおさめた。


「本気?」


「え、あ......」


冗談だったんだけど......。


鋭い視線にビクッと身体が跳ねる。
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