天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜

「でも……私の足の傷のことみんなに言われたときは本当にショックだったんだよ」


「そうだったな……カッとなってしまったとはいえ、大人げなくお前を傷つけたこと……本当に後悔していたんだ」


そう言って私の前で土下座をした。


こんなの夢にも思わなかったし、してほしいわけじゃなかった。


「や、やめて!こんなことされても嬉しくない!」


「はぁ。俺の奥様は人が良いからなー、そんくらいことしてきただろ」


横で天馬くんがそう言うけど……。


「ちひろ、許してくれとは言わない。でも今までお前にしてきた態度は謝らせてくれ」


再び私の前に来て頭を下げる義父に、胸が締め付けられた。


今まで我慢してきたことから、やっと解放されたような気分になった。


「うん……いいよ、もうわかったから顔上げて」


「本当にすまない……。天馬くん、さっきの話だが本当に同棲を?」


「あー、ハイ」

と軽く言い放つ天馬くんに驚いた。


「冗談じゃなかったの!?」


「え?俺は本気だったけど」


「だってまだ高校生っ」


「親に承諾もらえればいいでしょ」


そりゃそうかもしれないけど!

涙を拭いたお母さんが、ふふっと笑っている。


「ちひろはどう思ってるの?本当の事、言っていいのよ?」


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