やわく、制服で隠して。
深春が一ページずつアルバムをめくっていく。
知らない人達の、個人写真の顔が視界を通り過ぎていく。
三クラス目のページで深春の手は止まった。
ズラッと並ぶ、その当時の流行りが一目で分かるような髪型と、恥ずかしそうに微笑む生徒達の顔。
知らない人達の顔は、やっぱりどれも同じ顔に見えた。
ママ達が今の私達の写真を見ても、きっとそうなのだろう。
四角に区切られた枠内に、担任教師の顔と名前。
その隣にも二つの四角い枠があって、下には学級委員と書いてある。
一人はママの顔と、旧姓。
ハッとするくらい、写真に写るママは、今の私にそっくりだ。
その隣の男子の顔にも面影がある。名字は“棗”。
「おじさん…。」
「うん。それと。」
深春がスッと指差した女子生徒の写真。
その少女の名前は、深春のお母さんに貰った紙に書いてあった、あの旧姓だった。
ママも深春のお母さんも、ヘアスタイルがよく似ている。
長いロングヘアでハーフアップ。
他にも同じようなヘアスタイルの女子が写っているから、ヘアスタイルもある程度の校則があったのかもしれない。
深春のお母さんの口元から覗く八重歯がチャーミングだ。
「クラスメイトだったんだね。でもこれって本当に偶然。卒業した後に交流があったわけでもないのに、私達も同級生になるなんて。」
「それだけで済めば、本当に奇跡みたいな偶然で、凄いねって話で済んだんだよね。きっとこの再会を喜べたんだと思う。」
「うん…。」
そうじゃないことを、私は解っていたから、深春が言っていることの意味がよく理解できた。
深春は知ってしまったんだ。
この再会は悲劇でしかなくて、少なくともママはそれを望んでいなかった。
きっと私と深春も出会ってはいけなかったのかもしれない。
こんな偶然が無ければ、今でも私の家族も、深春の家族も普通で…。
でも、もし中学生の頃に戻れたら。
もう一度志望校を選べ直せたら、同じ高校に入学したとしても深春と仲良くならなければ…。
そんな選択、今の私にはできない。
どんなルートが用意されていたとしても、深春と出会った後の道が見えていたとしても、私はやっぱり深春が居るルートを選ぶのだと思う。
深春以外を選ぶことなんてできない。
恋は盲目だなんて言うけれど、周りの全てが見えなくなったとしても、私は何度だって深春を見つけるよ。
だからきっと、何を聞いても大丈夫だと思った。
少なくとも、今目の前で震えている深春よりは…、私はもう大丈夫だって思っていた。
知らない人達の、個人写真の顔が視界を通り過ぎていく。
三クラス目のページで深春の手は止まった。
ズラッと並ぶ、その当時の流行りが一目で分かるような髪型と、恥ずかしそうに微笑む生徒達の顔。
知らない人達の顔は、やっぱりどれも同じ顔に見えた。
ママ達が今の私達の写真を見ても、きっとそうなのだろう。
四角に区切られた枠内に、担任教師の顔と名前。
その隣にも二つの四角い枠があって、下には学級委員と書いてある。
一人はママの顔と、旧姓。
ハッとするくらい、写真に写るママは、今の私にそっくりだ。
その隣の男子の顔にも面影がある。名字は“棗”。
「おじさん…。」
「うん。それと。」
深春がスッと指差した女子生徒の写真。
その少女の名前は、深春のお母さんに貰った紙に書いてあった、あの旧姓だった。
ママも深春のお母さんも、ヘアスタイルがよく似ている。
長いロングヘアでハーフアップ。
他にも同じようなヘアスタイルの女子が写っているから、ヘアスタイルもある程度の校則があったのかもしれない。
深春のお母さんの口元から覗く八重歯がチャーミングだ。
「クラスメイトだったんだね。でもこれって本当に偶然。卒業した後に交流があったわけでもないのに、私達も同級生になるなんて。」
「それだけで済めば、本当に奇跡みたいな偶然で、凄いねって話で済んだんだよね。きっとこの再会を喜べたんだと思う。」
「うん…。」
そうじゃないことを、私は解っていたから、深春が言っていることの意味がよく理解できた。
深春は知ってしまったんだ。
この再会は悲劇でしかなくて、少なくともママはそれを望んでいなかった。
きっと私と深春も出会ってはいけなかったのかもしれない。
こんな偶然が無ければ、今でも私の家族も、深春の家族も普通で…。
でも、もし中学生の頃に戻れたら。
もう一度志望校を選べ直せたら、同じ高校に入学したとしても深春と仲良くならなければ…。
そんな選択、今の私にはできない。
どんなルートが用意されていたとしても、深春と出会った後の道が見えていたとしても、私はやっぱり深春が居るルートを選ぶのだと思う。
深春以外を選ぶことなんてできない。
恋は盲目だなんて言うけれど、周りの全てが見えなくなったとしても、私は何度だって深春を見つけるよ。
だからきっと、何を聞いても大丈夫だと思った。
少なくとも、今目の前で震えている深春よりは…、私はもう大丈夫だって思っていた。