離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 愛し合って結婚したわけでもない夫と同じベッドだというのに、少し気を抜きすぎである。これがほかの男なら隙を見せすぎだと叱っているところだ。

 どうして咲良はこんなに俺に心を許しているのだろう?

 たった一年とはいえ契約結婚をした相手だからだろうか? それとも楓花の父親だからだろうか?

 理由はわからないが、今ここに彼女がいる現実が震えるほどうれしい。

「……やっと取り戻した」

 顔を寄せて、指で触れるだけだった頬に口づける。

 俺は一度、彼女を逃がしてしまった。俺を望まない咲良に無理を強いたくなかったから。

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