離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 五百年の歴史を持つたちばなと付き合いのある場所なんて京都にはいくらでもある。ホテルや旅館に限らず、有名な観光地や飲食店から軒並み断りを受けるのは仕返しが過ぎるだろう。

「そうか? 咲良に手を出そうとしたのに?」

 心底不思議そうに言われて、私が思っているよりもずっと智秋が怒っているのを感じ取る。

「まあ、君がそう言うならうちと深冬のところの出禁だけにしておくよ」

 京都から締め出す勢いだったのを考えれば温情に聞こえる。ただ、私がなにも言わなければそれ以外の報復もしていたのではないかとなんとなく思った。

 指示を出された従業員が連絡を入れている間、智秋は私と向き直って見下ろした。

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