離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 そして人前だというのにぎゅっと抱き締める。

「よく頑張った。怖かったよな」

「……助けてくれてありがとう」

 気恥ずかしい気持ちはわきに追いやって素直にお礼を言う。

「ああいうときにちゃんと対処できなきゃだめだよね。若女将の仕事にも慣れてきたつもりだったけど、まだ全然だった。智秋の手を煩わせるなんて」

「いや、何年かに一回くらいはあるんだ。繁忙期はどうしてもトラブルが増えがちになる。こういう対策も考えていかなきゃならないんだけど、ゆっくり時間を取れなくてな。俺の方こそ、普段の平和に甘えてたよ」

 智秋の手がぽんぽんと私をなでた。

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