離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 彼を愛しているから、誰に触れられるよりも安心する。

「落ち着いたら改めて考えよう。咲良の意見も『聞かして』くれる?」

 普段とは違うイントネーションだ、と気づいたタイミングで智秋ははっとしたように自分の口もとを押さえた。

 そして気まずさと恥ずかしさが入り混じった表情で私を見る。

「咲良の前では特に気をつけてたのに」

「どうして? いいじゃない、方言」

「素を晒してるみたいで落ち着かないんだよ」

「妻相手になんで素を隠そうとするの」

「いつでもかっこいい夫だと思っててもらいたいから?」

 茶化した言い方は、たぶん方言を使った気恥ずかしさを誤魔化すため。

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