離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
「お気遣いなく。今日は説教に来たようなものなので」

「お説教ですか?」

「先日、お客様の前で〝やらかした〟と」

「ああ……」

 お客様と呼ぶところにホテル王の一面が見え隠れする。

「別にやらかしたわけじゃない。ちゃんと丁重にお帰りいただいたからな」

 兄のはずの智秋が拗ねたように言った。

 わざと子供っぽく振る舞っている姿は、ある意味で新鮮だ。

 とりあえず、となにも出さないのは気が引けて熱いお茶を用意する。

 茶道の勉強が功を奏しているのかはわからないが、最近自画自賛するくらいには上手にお茶を淹れられるようになったと思う。

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