離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
「いっそお互いに割り切れるような結婚をできたらいいのにな」

 なにげなくこぼれた呟きは、幸い母の耳に入らなかったようだ。

 割り切れるような結婚なんて、そんなうまい話はないとわかっていたから溜息を吐いてごまかす。

「ね、さっちゃん」

「ん?」

 座布団の上に座った母が、いつの間にか沸いていたお湯で私の分もお茶を淹れている。

「私のことは気にせず、あんたの好きにしていいんだよ。恋愛も、それ以外も」

「……そうだね。ありがと、お母さん」



 清水寺や八坂の塔、高台寺といった観光名所を見て回ったあとは、たちばなでの夕飯に舌鼓を打った。

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