離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 そうはいっても温泉デビューはまだしていない。

 楓花は温泉の匂いが好きらしく、お風呂上がりの私や智秋の指を積極的に口に入れたがった。普段はそういうことをしないから、きっと適度なぬくもりと独特な香りに惹かれているのだろう。

「楓花が大きくなるまでに、私たちの関係はどうなってるのかな……」

 腕の中に擦り寄り、寝息を立て始めた楓花の背を撫でながらつぶやく。

 智秋に嫌われていない自信はあるし、どちらかといえば好かれていると断言できる。

 だがそれが恋愛の好きかと言われると、急に不安になって自分の気持ちを彼に晒せなくなった。

< 150 / 235 >

この作品をシェア

pagetop