離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
「俺が九歳で深冬が五歳のとき。いわゆる身代金目当ての犯行だな。父さんが手を回したからニュースにはならなかったけど、俺はたぶん一生忘れない」

「犯人は捕まったの?」

「捕まったよ。当時、俺たち兄弟に優しくしてくれた秘書が実行犯だった。よく深冬と遊んでくれるいい人だったよ」

「そんな」

 懐いていた大人に裏切られた幼い兄弟を思うと胸が締めつけられる。

 智秋は視線を落とすと、私の肩に回していない手をぎゅっと握った。

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