離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 以前会ったときと違い、いかにもブランドものだとわかるすっきりとしたスーツに身を包んでいた。

 改めて彼はホテル王と呼ばれる経営者なのだと実感する。

 私だけだったら気圧(けお)されて声をかけられなかっただろうが、智秋はいつも通り気を遣わず話しかける。

「やあ、深冬。今日は招待してくれてありがとうな。お前のつくったホテルをしっかり採点させてもらうよ」

「先に言っておくが、満点しか取らないホテルにしたからな」

「じゃあ俺も先に言っておくけど、お兄ちゃんの採点はすごく厳しいぞ」

 似ていないようで似ている兄弟なのかもしれない。

< 186 / 235 >

この作品をシェア

pagetop