離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
「智秋くんと結婚したから京都のたちばなさんに泊まり放題だ、なんて咲良には言ってたんですけどね。まさかタチバナホテルズのホテルにまで泊まれるなんて感激だわ」

「ちょっと、お母さん」

 智秋ならいいが深冬さんはそういう冗談が通じそうな人ではない。

 しかし意外にも彼は母に温かな笑顔を見せた。

「いつかほかのホテルにもご招待いたしますよ。暑さが平気でしたら石垣島がおすすめです。母もこの年で友人ができてうれしいでしょうし、ぜひふたりでどうぞ」

「私はまだ五十六よ。この年でってどういう意味かしら?」

 横から義母にツッコまれた深冬さんは肩をすくめただけで追及を避けた。

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