離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
「ありがとう。旦那さんがあんまりできすぎだと困っちゃうな。妻の立場がないよ」

「君の妻としての仕事は俺に甘やかされることだからいいんだ」

 智秋はその言葉に偽りはないとでもいうようににっこり微笑んだ。

 それだけでなく、食事の支度を整えてから抱き締めてくる。

「ご飯冷めちゃう。せっかくお味噌汁まで作ってくれたのに」

「ご飯と俺と、どっちが大事?」

「なにそれ。変な質問」

 私が笑ったからか、智秋の腕の中で一緒に抱き締められている楓花も笑う。

「今はお腹空いたから智秋よりご飯かなぁ」

「あ、そういうこと言う。あとで知らないからな」

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