離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
「じゃあ、顔を見ない代わりにもっと恥ずかしいことをしようか?」

 智秋は私の手を解放すると、わざと腰のラインをなでながら太ももに軽く指を食い込ませた。

 なんらかの予感にぞくりとした私を見て意地悪な笑みを浮かべ、左右に割り開く。

「や、やだ」

「もう遅い」

「――っあ」

 顔を手で覆えても、隠したい場所は晒されている。

 太ももの内側に落ちたキスは彼が見せた笑みよりも意地悪だった。

「だめ、お願い、やだ、あっ」

 必死に懇願しても智秋は私をいじめるのをやめない。

 むしろ私がそんなふうに泣いて許しを乞うのを見て、ますます興奮しているように感じた。

< 52 / 235 >

この作品をシェア

pagetop