離婚前夜に身ごもったら、御曹司の過保護な溺愛に捕まりました
 義母や古参の従業員たちが積極的に私と楓香の時間を作ろうとサポートしてくれるのも本当にありがたかった。

『女将の仕事を手伝える人はいくらでもいるけど、楓花ちゃんのママは咲良さんだけ』

 たちばなの温かな人々は全員がそうして私を支えてくれた。

 その代わりとでもいうように、ちょこちょこ楓花を愛でにくるのが微笑ましい。

 特に義母と同年代の従業員たちは人見知りをしない楓花にめろめろだった。

 そうまでしてくれる皆の期待に応えたいのもあり、甘えすぎずにママ業も若女将の仕事も両立しようと食らいつく毎日は大変だがやり甲斐があった。

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