柳の木の下で貴方が言葉を拾ってくれた
「ここが無法地帯って分かっているのか?」
無法地帯…。
確か圭哉くんがツキ女の近くに無法地帯があるって言っていたっけ。まさかこの場所だとは思わなかった。
「おい、聞いてんのか」
無視をされていると思われ不機嫌な表情になっている。
「ごめんなさい。聞いています。ここが無法地帯ってことは知りませんでした。もう、ここに来ることはないと思います」
「何故ここにいた」
「そ、それは」
「言いたくねーならいい」
初めて会った時に感じた七瀬さんの印象はクールで少し怖い人かなと思ったけど、案外優しい人なんだと思う。
私への配慮ってわけではないと思うけど、助けてくれたり何も聞こうとしないでくれるだけでも私には救いになる。
「あの、」
言葉を言いかけた時、「おい」といつも聞き慣れた声に思わず振り返る。
「怜、何してる」
そこには蓮二が立っていた。蓮二は私と七瀬さんを見て、低く言い放つ。
「友達を理由に風翼と密会か?考えるようになったな。泣き寝入りでも、考えていたのか?」
「違う!そんなんじゃない!私が勝手にここに来て、七瀬さんとは偶然会って、助けて、もらっただけ…」
「助けてって何だ?」
ピシャリと空気が凍りついた。
何かいけない事を言ってしまったようだ。説明をしないといけないと思いながらも怖くて口が開かない。