首取り様1
佳奈は夏休み前の慎也との会話を思い出していた。


『俺の両親夏休み入ってすぐに2人で旅行に行くんだってよ』


『へぇ。慎也も一緒に行けばいいのに』


『俺は邪魔なんだってさ』


別に寂しがる風でもなくそう言っていたんだった。


そんな両親はまだ帰ってきていないらしい。


ということは、ここ数日間の深夜の苦悩も知らないままということだ。


「でね、これ!」


春香がジャーン! と、効果音付きで後手から花火を取り出した。


佳奈と慎也はそれを見て目をパチクリさせている。


「一緒に花火しよう!」


美樹が元気に宣言する。


「慎也の家の庭、広いだろ?」


明宏が後を続ける。


「そりゃまぁ、広いけど」


一体いつの間に花火なんて用意していたのかと、佳奈はおかしくなってきた。


みんなこのためにゾロゾロと慎也についてきたみたいだ。

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