首取り様3
☆☆☆

それから一度家に戻って仮眠をとった3人は夜になるのを待った。


今日も彼らの仲間の誰かが犠牲になるはずだ。


だけど彼らは首を探さない。


首が地蔵についたことを確認するために、あそこにいるだけだ。


「そろそろ行こうか」


クローゼットを開けて慎也の体に抱きついていた佳奈は、その声に顔を上げた。


ドアの前に立っているのは明宏だ。


その後ろには春香と大輔もいる。


その手には武器が握りしめられて佳奈はとまどった。


「その武器を持って行くの?」


「あぁ。化け物相手には使わないけどな」


大輔がバッドを握りしめて答える。


化け物相手じゃないとすれば、使うのは彼らに対してなのだろう。


一瞬そんなことをしてもいいのかと考えたが、彼らは大輔に銃口を突きつけているのだ。


これくらい準備して置かないと本当に殺されてしまうかもしれない。


「わかった行こう」


佳奈は慎也の体を優しくなでて、クローゼットを閉めたのだった。
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