首取り様3
☆☆☆

深夜1時過ぎに地蔵へ到着すると想像通り彼らはやってきていた。


昨日と同じようにブルーシートをしいて酒盛りをしている。


「なにあんたたち、また来たの?」


少しお酒が入っている様子の智子が言う。


「あの巨体の首が取られたのか」


大輔が2人になったイケニエたちを見て言う。


一番体の大きな一生の姿がなかった。


「だからなんだよ」


亮一は相変わらず猟銃を携えていて、それをずっと右手に持っている。


酒もほとんど飲んでいないようで、少しは周囲を警戒していることがわかった。


この街を壊滅させたいわりに、自分の身は守りたいのだろう。


「お前らの名字を教えろ」


大輔の言葉に智子と亮一は動きを止めた。


今日も首を探せとか、運べといったおせっかいを焼いてくるのだと思っていたので、その言葉は予想外だったのだ。
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