首取り様3
同時に佳奈たちが過去を探っていることを理解した。


「そんなの教える義理はねぇよ」


亮一が不機嫌さを隠さずに答える。


智子は少し後ろに下がって4人を睨みつけた。


「工藤に本間に中村に柏木。そして原田じゃないのか?」


明宏が覚えてきた名字を口に出す。


最後の原田だけ、智子へ視線を向けた。


2人は明らかにたじろいだ様子で明宏を見つめる。


その視線は泳いでいた。


「明治45年に首切りを行った5人の名前だ。お前達がイジメられたり、蔑まれてきたのはこの歴史があるからか?」


続けられた質問に智子はカッと頭に血が登っていくのを感じた。


「うるさい!」


叫び声を上げてビールの缶を投げつける。
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