首取り様3
蓋の開いていたビールの缶は中身を撒き散らしながらアスファルトに落下して、むせるような匂いを充満させた。


「ちょっと調べたからって調子に乗ってんじゃねぇぞ!」


亮一が銃口を明宏へ向ける。


明宏は背中に冷や汗が流れるのを感じたけれど、逃げなかった。


グッと両足を踏ん張って地面に立つ。


「答えろよ」


大輔がバッドを構え、亮一は銃口に指をかけた。


「俺たちのすることがそんなに気に入らないのなら、お前らも俺たちを差別してきた人間と同じだ」


亮一が凍りつくような冷たい声で言う。


「それなら容赦する必要はないよね」


智子がニヤリと笑い、バッグの中からロープを取り出した……。
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