首取り様3
スタンガンを押し当てられた首元はまだビリビリとしびれていて、焼けた感覚もある。


「やっと起きたの?」


智子の声に顔を向けると、ビニールシートの上に転がる黒い化け物に気が付いた。


化け物も自分たちと同じように拘束されていて、すでに四肢が切断されている状態だった。


「これを解いて!」


叫んでじたばたもがいてみても、ロープは緩まない。


声も枯れていてほとんど出なかった。


「うん、解いてあげる。だけどもう少し待ってね?」


智子はそう言うと腕時計を確認した。


そうだ、今は何時だろう?


「時間を教えてくれ!」


明宏が叫ぶ。


他の2人もすでに意識を取り戻したみたいだ。


「時間? 時間はねぇ……」


智子が時計から視線を外してニヤリと笑う。
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