首取り様3
この3人はすでに友人の首探しを失敗している。


それなのに怯えていなさすぎるのだ。


忌々しいはずの地蔵の前で酒盛りをして、首を探している様子は少しもない。


更には三福寺についても詳しいらしい。


「あの寺ではイケニエの儀式があったのよ。それの呪いがまだ息づいてる」


智子の言葉に佳奈は大きく息を吸い込んだ。


自分たちが何日もかけて調べてきたことを、この3人はすべて知っているのだ。


「どうして首を探さない?」


無駄な会話に嫌気がさしてきたのか、大輔が直球に訪ねた。


「地蔵に首が全部ついたらどうなるか、知ってるか?」


ツンツン頭の一生が一歩前に出て尋ねる。


一生は大輔を見下ろしてしまうほど背が高く、威圧感が強い。
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