首取り様3
そんな一生を大輔はにらみあげた。


「地蔵に首が全部ついたとき、この街は壊滅する。この地蔵たちが街をぶっ壊して回るんだ」


一生は首のない地蔵の肩をぽんぽんと叩いて説明した。


それは友人らにするような気安さで佳奈は寒気を感じた。


この3人は自分たちとなにかが大きくかけ離れているようだ。


そう理解しても、もうこうして対峙してしまった。


なにかよくないことが始まっているのが肌で感じられる。


「それが本当なら阻止しないと」


明宏の言葉を聞いて3人は同時に笑い出した。


本気で心の底から笑っている。


「な、なにがおかしいんだよ」


3人の異様な反応に明宏がたじろぐ。


「こんな街を本当に守りたいと思ってんのか?」


一生が笑うのをやめて佳奈たちに訪ねた。


「あ、当たり前だろ」


明宏がどうにか答える。
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