首取り様3
どうして……!


そのとき思い出した。


首はすでに3体分ついているのだ。


以前自分たちが経験した化け物よりも強くなっている。


そして体数も増えているはずなんだ。


理解したときにはすでに黒い化け物は刃物になった腕を振り上げていた。


大輔めがけて振り下ろされる。


くそっ!


間に合わない!


体を横倒しにして避けようとした瞬間、一生が棒立ちになっているのが見えた。


あいつ!


逃げ遅れたのか、それとも最初から逃げる気なんてなかったのか。


一生はまっすぐに化け物を見つめて微動だにしない。


早く逃げろ!


大輔が心の中で叫んだとき、黒い化け物の刃は一生に狙いを定めていた。


いや違う。


黒い化け物は最初から一生を狙っていたんだ!
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