首取り様3
自分たちが必死に調べ上げてきたことをこの3人は最初から知っていた様子なのだ。


情報はまだまだ持っている可能性がある。


「それがいい。さっさと帰ってネンネしな」


バカにしたような口調で一生が言ったとき、暗闇の中にユラユラと揺れる黒い化け物の姿を見つけた。


「こんなときにっ!」


大輔が激しく舌打ちをする。


今日は誰も武器を持ってきていないのだ。


このまま黒い化け物に襲われたら、死ぬしかない。


額にジワリと汗が滲んできた次の瞬間、化け物が大輔の前の前にいた。


少しも動く暇なんてなかった。


以前から動きは早かったけれど、更に早くなっている。
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