首取り様4
大輔が奥歯を噛みしめる。


これじゃ家の中にいても安全とは言えない。


逃げ道の確保ができないから、室内の方が危険かもしれないのだ。


明宏は玄関へ伸ばしていた手を引っ込めた。


「とにかく走れ!!」


ここまで走ってきて体力は限界に近かった。


心臓は早鐘をうち、汗は全身から溢れ出す。


だけど足だけは震えることなくしっかりと地面に立っていた。
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