どうにかして、ここから消えたかった。

プロローグ

 今日は、まさに私の人生の閉幕に素晴らしい天気だと思った。
 マンション20階の屋上から見渡す都会のこのじっとりとした、誰もが嫌うような雨はどこか私に似ている。
 私の天気に私はここから消える。その事実が私の心を軽くした。これからはクズ共とは別の世界に行けて、ストレスも無くて、人に気を遣わなくても良い。なんて素晴らしいのだろうか。
 そう、心を躍らせて雨に濡れたマンションの屋上、私は柵に足を掛けた。
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