指先から溢れるほどの愛を
レセプションカウンターの前で押し問答を繰り広げる私たちに堪らずといったように吹き出した麻美さんと悟さんに、顰めっ面の坂崎さん。


「まぁまぁ、二人とも。似た者同士ねぇ。ね、ミーコちゃん、竜もこう言ってることだし、今日の所は私たちからの就職祝いってことで受け取って貰えないかしら?」

「そうそう。何だかんだ竜さんミーコちゃんのことずっと気にかけてたしね。就活頑張ったご褒美ってことで受け取っときなよ」

「そうだぞミーコ。人の好意は素直に受け取っとけ?その代わり次からはちゃんと貰ってやるから」

「う……っ。ありがとう、ございます……」


三人からこんな風に優しく言われてしまえばさすがの私もこれ以上断ることは出来ず、ここは素直に皆さんのご好意をありがたく頂戴することにした。

っていうか私完全にミーコになってるし……。


「……その代わり、次回は本当にちゃんと貰って下さいよ?」

「ああ。んじゃ次はいつがいい?予約入れとくよ」

「えっ、ええっと、じゃあ3ヶ月後の……ーー」

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