一途な淫魔の執着愛〜俺はお前しか一生抱かない〜
「日和さん、サンタの格好凄い似合ってますね!」
「あ、ありがとう」


 何もなかったかのように普通に話しかけてくる悠夜にどうしても警戒心が抜けず、寒いはずなのにギュッと握る手のひらにじわりと汗が浮き出てきた。


「あの、僕凄い反省してます。あのあと別の日に兄貴に呼び出されてこっぴどく怒られちゃいました、そりゃそうなんですけどね。でも、もうあんな事はしませんから! 今日はケーキ買いに来ちゃいました。やっぱり日和さんのケーキが一番美味しいから……ダメですかね?」


 キュ〜ンと鳴く子犬のような眼差し。悠夜はやっぱり根はケーキの大好きないい人なのかも知れない。日和は「もちろん、買いに来てくれて嬉しいよ」とホールケーキを一つ持ち帰り用の袋に入れた。
 それにしても、一つ悠夜の発言で気になったことがある。別の日に洸夜と会った? そんなことは一切日和の耳には入っていない。まさかボコボコに殴られたとかじゃ……なさそうだ。悠夜の顔は腫れ一つ無い綺麗な顔だ。


「あのさ、あの男に会って、その、どうなったの?」


 悠夜は「あ〜」と日和は何も知らないことを察したようで「大丈夫ですよ」と優しく言った。


「こっちが拍子抜けしちゃうくらい優しい言葉をかけてもらいました。残された兄弟なんだから仲よくやっていこうって。僕泣いちゃいましたよ。でも最後に物凄い怖いこと言われましたけどね」
「怖いこと?」
「日和に手を出したら殺すだけじゃ済まねぇぞって。あれは震えましたね。怖すぎて」
「そ、そうなのね……」


 あんだけやりあっても根は兄弟なんだなぁと思った。洸夜はなんだかんだ怖いことを言うかも知れないけど、態度も大きいかもしれないれど、とても優しい人だと日和は知っている。
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