一途な淫魔の執着愛〜俺はお前しか一生抱かない〜

洸夜side

 クリスマスモード全開な婚活会場。場の雰囲気のムードもあるのかいつもより会員達は盛り上がっているように見える。ケーキもたくさんならび、日和の職場の人間もいるが肝心な日和の姿がどこを見渡しても見つからない。いつもなら一瞬で日和を見つけられるのに、どこに行ったんだろうか。なんだかざわざわと胸騒ぎがする。


「日和」


 トイレにでも行ってるのか?


「おい、日和はどこへ行った。全然見当たらないんだが」


 日和の職場の人間、綾乃に聞いてみると困った顔をして口を開いた。


「あ〜、日和はさっき男性のかたに話があるとか言われて連れてかれちゃいました」
「は? まさかあの時のケーキ屋にいた男か!?」
「そ、そうですね」


 くそったれ! あれほど俺以外の男には気をつけろと言ったのに。とくにあの男、一瞬しか見ていないが可愛い身なりをしていたが日和を見る目になんだか違和感を感じた。これは男の勘ってやつだが、男に対して気をるけることに越したことはないのに。日和は自分がどれだけ男を虜にしてしまう色香を放っているのか全く分かっていない。ましては最近は自分に抱かれまくっているからか大人の女の魅力が溢れ出してしまっている。


(まぁ俺のせい、なんだけどな)
「どこに行ったか分かるか?」
「それはちょっと分からないですね〜、なにせいきなり連れていかれちゃったんで」
「そうか、ありがとな。少し日和を探してくる」


 会場内には日和の姿は見当たらない。会場を飛び出し部屋の扉を一箇所ずつ勢いよく開け中を見渡すがなかなか見つからない。


「っくそ! どこ行ったんだよ!」


 物品倉庫、自分が前に日和を連れ込んだ場所。まさかと悪い予感が一瞬頭によぎり勢いよく扉を開けた。
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