イジワルな君の一途で不器用な恋心
荒ぶる脳内を急いで整理して返答する。
日によって人数は変わるけど、大体6、7人でワイワイ話してるからなぁ。
「でも、2回だけあった」
「いつ?」
「先月の……」
直近は、宿泊研修が終わった次の日。
市瀬さんこと、市瀬ちゃんに犬の動画を見せてもらった時。
1対1だったのも相まって、乱入した雷夜に『邪魔しないで』と怒った。
胸騒ぎはなかったけど、言動からすると独占欲が働いてたと思う。
もう1回は、宿泊研修の前日。
女子会に参加した雷夜に、ミワワちゃんが質問を投げかけた時。
内容は……好きな人のタイプ。
うつむき気味で話すと、目の前から、はぁ、と溜め息が漏れた。
「それさ、確実に未来の彼女に嫉妬してるじゃん」
「いやいやっ、ミワワちゃんが聞いてたから、多分誤作動だよ」
「ふーん、じゃあもし目黒くんに彼女できたらどう思う?」
突拍子もない問いかけに、ドキッと心臓が誤作動を起こした。
「今さっき言った子と付き合うことになったら、って想像してみて」
「なんで年下指定なの……」