闇に咲く華ー偽りの華ー

「いやよ。何故に?理由をのべよ。」

私は今、怒りを抑えるのに必死です。

何故ならば、時を遡ること30分前。
荷物を纏めて倉庫につき、どの部屋になるのかと話をしていたのだ。

爆弾を投下したのは紛れもなく、"清宮大樹"だった。

「お前の部屋、ここ。」

無表情でそう言った大樹さんが指差す先は、"総長室"。

「ここはあなたの部屋。私が入っていいとこじゃないんじゃなくて?」

そう。
総長室は、代々総長の女のみ入ることを許されている部屋だと先ほど、広治さんこと広ちゃんに教えてもらったのだ。

私は大樹さんの彼女でもなければ、鬼龍とは関係のない人間なのだ。

尚更入れるわけないのに、この人は何故に!?

「お前が俺の彼女になれば問題ないだろ。」

…。
ん?

どうして?
何で?
そうなるの?

「ーッ何言ってるの!?」

「何って、彼女になればっつってんだよ。」

タブレットを見ながら何もなかったかのように話す姿に、開いた口が塞がらない。

この人頭大丈夫?

会ったばかりの得たいも知れない人に"彼女になれ"って言いましたよ?

< 20 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop