闇に咲く華ー偽りの華ー
「…あの、こんな総長で大丈夫?」
私は大樹さんを指差しながら、司さんに助け船を求める。
だけれども、返ってきた返事は私の予想の斜め上をいっていた。
「んー。大樹が居ての今の鬼龍があるからね。問題ないよ?」
も…問題ないよって…。
「別にここのソファーで寝かせてもらえれば何も問題ないんだけど。」
私の焦りなど気にもとめていない大樹さんは何を考えているのかさっぱり分からない。
妖艶をまとっている美しい出で立ちに、力強い瞳…。
さっきから吸い込まれてしまいそうな感覚になる。
だからこそ、私の中の警笛が鳴っている。
"危険"ー…と。
私の隠しているもの全てを、彼は簡単に暴いてしまいそうな、そんな気がしてなら無い。
「え?それは困るね。女の子をソファーで寝かせるなんてそんな事は出来ないよ。これだけは僕でも譲れないなぁ。それに大樹があぁ言ってるんだ。安心して使わせてもらいなよ。」
「でも…。」
なるべく大樹さんのいる空間には、入らないようにしたいのが本音。
「とにかく、チビは俺の部屋を使え。てことで俺の女な。」
そう言ってソファーで寝始めた。
てことで俺の女な…ですって?
ますます俺様!
本当、ムカつく奴だわね。